寄稿 「電撃G’sマガジン」30年分の表紙を並べて見てみよう!

Aさんから、過去に寄稿していただいたアニメ雑誌の創刊から最新までの表紙をまとめて見ることができるページ(https://aninado.com/archives/2020/11/16/424/)をベースに「電撃G’sマガジン」の表紙が追加されたページを寄稿いただきました。寄稿いただいたページ(https://aninado.com/amc/dengekigs.html)は既に公開していますが、なぜAさんがこのページを作ったのか、その理由についてうかがいました。

-- ページの寄稿ありがとうございました。早速ですが、このリストを作った理由からうかがえますか。

A  創刊から30年を迎えた「電撃G’sマガジン」が2022年10月28日に発売された2022年12月号で休刊になるという記事を見掛けまして、昔から知っている雑誌ではあったけれども詳しくはなかったので、この機会に「電撃G’sマガジン」が歩んできた30年の歴史を表紙から振り返ってみようと思って作りました。

-- ページを作ってみていかがでしたか。

A  大まかに「電撃G’sマガジン」の歴史を語っていくとですね。そもそも「電撃G’sマガジン」は、いわゆる「角川お家騒動」と呼ばれる角川書店の編集者が大量離職した時期の1992年末に「電撃PCエンジン」という誌名で創刊されたんですね。その影響もあってか、初期の表紙は角川書店から刊行されていた「マル勝PCエンジン」と同じイラストレーターが表紙を担当しています。

https://aninado.com/amc/dengekigs.html#199302

-- 明文化されている訳じゃないけど「マル勝PCエンジン」の読者は、「電撃PCエンジン」が後継の雑誌だと表紙で気がつくわけですね。出版社や編集部がバチバチやりあっているのが読者にも伝わるというのは恐ろしい時代です。

A  あと、「電撃PCエンジン」の「PCエンジン」とは何ぞやといえば、家庭用ゲーム機「PCエンジン」のことなんですね。時代が進むにつれて「PCエンジン」の後継機である「PC-FX」の情報を扱うようになるのですが、その需要は先細っていき、誌名も「電撃G’sエンジン」そして「電撃G’sマガジン」となり、いわゆるギャルゲー全般を取り扱うかたちへと変わっていきます。

https://aninado.com/amc/dengekigs.html#199606

 別の特徴として、前身の「マル勝PCエンジン」からオリジナル読者参加企画が掲載されていました。その人気コンテンツが、表紙を飾るようになります。メディアミックスも盛んになり、特に「シスター・プリンセス」は今風に言えば覇権コンテンツだったかと思います。

セラフィムコール(連続12回) 1999/3〜
シスター・プリンセス(連続43回) 2000/3〜
双恋(連続25回) 2003/10〜


https://aninado.com/amc/dengekigs.html#199903

https://aninado.com/amc/dengekigs.html#200003

https://aninado.com/amc/dengekigs.html#200310

-- 確かにそういわれると自前のコンテンツが延々と続く様は圧巻ですね。「ニュータイプ」の「ファイブスター物語」を彷彿とさせます。

A  その後、Keyブランドなどの恋愛ゲームが表紙になる時期もありましたが、2010年に始まったオリジナル企画である「ラブライブ!」が盛り上がり、2013年3月号で表紙を飾ります。

https://aninado.com/amc/dengekigs.html#201303

 連載漫画が「電撃G’sコミック」へ移籍したり、専門誌「LoveLive!Days ラブライブ!総合マガジン」が発刊されたりしつつ、最初にお話ししたように紙媒体である「電撃G’sマガジン」は2022年12月号をもって休刊となりました。

 今後はWEB媒体として月額会員を募りながら続けるという新しい試みを行うようです。これがオタク系のエンタメ誌が今後どうなっていくのかの試金石になるかもしれないので、今後どうなって行くのか気になりますね。

 私が勝手に「電撃G’sマガジン」の歴史を語ってしまいましたが、2022年12月27日に「LoveLive!Days2023年2月号増刊 電撃G’sマガジン30周年感謝号」が発売されたので、公式の立場でどのようなことが語られるのか、こちらもチェックしたいですね。
http://gs.dengeki.com/news/162315/

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