アニメ誌斜め読み! 001「ニュータイプ」2020年12月号

 「アニメ雑誌って読むところないよね。まあ、○○年くらい買ってないけど」みたいな発言を見聞きする度にキィー! と歯がゆい気持ちになる。そういう面が全くないとは言いにくいけれども、イメージだけでそういうふうに言われてしまうのは、どちらにとっても不幸なことに感じる。この「アニメ誌斜め読み!」は、アニメ誌の記事でaninado的に気になった記事を紹介していくコーナーだ。

 今回紹介するのは11月10日に発売した「ニュータイプ」2020年12月号だ。早速、気になった記事を紹介していこう。

 ○月刊ニュータイプ35周年「アニメ・クロニクル」開催記念インタビュー 井上伸一郎
  巻頭は、角川武蔵野ミュージアムで行われている展示イベント「アニメ・クロニクル」の開催を記念して、創刊に携わった井上伸一郎へインタビューを行っている。「ニュータイプ」の歴代表紙について、豪腕なエピソードが愉快だ。

 ○ポケモンスペシャルミュージックビデオ「GOTCH!」
  先日公開となった「ポケットモンスター」と人気バンド「BUMP OF CHICKEN」のコラボムービー。決して長くはない尺の映像にシリーズを通したさまざまな要素がギュギュッと詰め込まれた密度の高さでも話題になった。本作のキャラクターデザインと作画監督を務めた林祐己、アニメーターの中村豊、平田有加によるインタビューと監督を務めた松本理恵にたっぷりと話をうかがっている。絵コンテやレイアウト、監督指示書といった制作資料が掲載されているのもうれしい。松本理恵監督へのインタビューでも触れられている友人から届いた手紙が掲載されているのもグッド。テキストの担当は、著書に「田尻智 ポケモンを 創った男」、ボンズ20周年記念展の図録の編集にも参加しているライターの宮昌太朗。

 ○Netflix2021
  配信サイトNetflixの新作ラインナップを紹介している記事。その中の1作『スプリガン』のスタッフコメントが掲載されている。キャラクターデザインを務める半田修平の熱量の高いコメントに思わず笑みがこぼれる。小さくではあるがNetflixにおけるアニメの現状についても触れられている。

 ○『魔女見習いをさがして』
  先日公開になった映画『魔女見習いをさがして』の記事。キャスト座談会と佐藤順一監督、関弘美プロデューサーのスタッフ対談の2本立て。スタッフ対談は、作品の方向性が固まっていく過程が語られている。大きなネタバレがあるからではないが、本編の鑑賞後に改めて読むと、また違った印象で読むことができる記事になっている。テキストの担当は、ライターの志田英邦、前田久の共同。

 ○『神様になった日』
  キャラクターデザイン、総作画監督を務めている仁井学へのインタビュー。キャラクターデザインが固まっていくまでの経緯が語られている。見開きページにたくさんのキャラクター設定が掲載されているのがありがたい。本編でコロコロと変わる愛らしい表情を見せるひなの表情集が素晴らしい。テキストの担当は、ライターの前田久。

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機長
1987年生まれ。日中は、アニメの本とかを作っています。本サイト「aninado」の管理や脚本家雑破業に関する同人誌を作るサークル「超電磁弾痕」主催。おつまみ紹介同人誌を刊行するサークル「かるこーるぞく」企画、テキストを担当。